デュピクセントアトピーの注射
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デュピクセント(デュピルマブ) アトピーの注射

効果があるのに内臓への負担がない

 注射のデュピクセント(デュピルマブ)は、激しいかゆみと激しい発疹を速やかに良くします。最初打つと3日目から楽になり始め、2週間ごとに注射を続けると、4か月の時点で発疹が1割まで減る人は4割弱注射なのに肌がしっとりし、かかなかった汗をかくようになり、内臓への負担や抵抗力を落とす副作用がないのも特徴です。注意する点としては、喘息治療中の方は、注射開始後一時的に喘息の症状が無くなっても内科受診を止めずに続ける必要があります。また、注射を始めて何か月もたってから結膜炎になることがあります。多くは一時的な目のむずがゆさ程度の軽さですが、まれに目が赤くなりゴロゴロし眼科にかかっても何週間も治らないこともあります。

効果があるが対症療法

 効果がありますが、対症療法であり病気を根本から治す薬ではありません。このため、2割の皮疹は良くなり切らず、塗り薬の併用が必須です

注射を打てる条件

 注射を打つには、顔や首あるいはある程度の範囲に激しい皮疹があり、適切な外用療法が施されているといった皮膚科学的要件を満たす必要があります。現在デュピクセントを打っており転居などに伴い当院での治療継続をお考えの方は、「投与開始時の治療要件と疾患活動性の数値」が記載された診療情報提供書(いわゆる紹介状)をご用意ください。
厚生労働省の最適使用推進ガイドラインに従い、日本皮膚科学会のガイドラインに準拠した標準治療を受けていることが必須です。

受診当日に用意するもの

 塗っている薬の名前が分かるものをお持ちください。薬手帳、薬局でもらった説明書、無ければお手元にあるチューブや容器でも結構です。マイナンバーカードでも処方歴が分かります。他院でデュピクセントを打ったことのある方は診療情報提供書が必要です。予約は不要です。電話によるお問い合わせには、あいにく一切応じておりません。​ご質問にお答えするには、診察が必要です。未成年の患者の診察には、保護者の同伴が必要です。受診いただいても、国が定める条件を満たさないと注射できません。

医療費助成制度

 2週ごとの注射代は3割負担の方で1回約18,000円、初回のみ2倍の量を投与するため約36,000円かかります。さまざまな医療費助成制度があり(詳しくはこちらをご覧ください)、付加給付や高額療養費制度などについて各自でご確認ください。カードはあいにく扱っておらず、お支払いは現金のみです。
高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられます(社会保険)全国健康保険協会
自己負担限度額がさらに引き下げられる多数該当高額療養費
高額療養費(国民健康保険) 大田区
医療費控除 国税庁

良くなってもタクロリムスを塗り続けないと、再びかゆくなる

 注射だけでは8割程度までしか良くならず、止めるようになるには薬の塗り方が鍵を握ります。良くなっても潜在する炎症にタクロリムス軟膏を、それ以外の全身の広い範囲に保湿剤を十分量塗り続けないと、注射を止めた後にぶり返すことが経験されます。長い間注射を打ち続ければ、治り切るまで少しずつ良くなり続けるという効果はありません。

注射はいつまで打つか、止めたらどうなるか

 注射を止めるタイミングとして、2週ごとの注射に塗り薬を併用し、良い状態が6か月続いたら一時中止してもよいという目安があります*。ずっと続けても良い注射で、良くなったら止めなければいけないわけではありませんが、多くの方はできるならいつかは注射を止めたいとお考えです。当院で注射を止められた方は、タクロリムス軟膏を1日1本のペースで、良くなってから最低6か月悪かったところに塗っていました。そうしないと、注射を止めて3~6か月くらい経ったり汗をかく夏になると、激しい発疹のあったところからぶり返し、再び注射を打たざるをえないことがしばしば起こります。薬の塗り分けが苦手なためタクロリムスだけを塗り続け、デュピクセントを止められた方もいらっしゃいます。
 逆に、止める条件はそろっていても、運動で汗をかいてもかゆく無く夜も眠れ、仕事の能率が上がった状態を維持したいとおっしゃり、注射を続ける方もいらっしゃいます。
 一旦止めた注射は、再開できます。

2週間の投与間隔を長くできるか

 投与間隔を3週間や1か月ごとに計画的にあける治療は、当院ではあいにく受けられません。それは、医療機関が守らなければならない決まりが、国と学会のガイドラインにあるからです。これを破ると、保険者は1本4万円の診療報酬を医療機関に支払わず、注射は同時に終わります。出張や入院、旅行などで、投与間隔が医療保険の許容範囲内で時々あくのは差し支えありません。

自己注射

 自宅でご自身で注射する自己注射により、通院頻度を減らせます。診察室で2回練習し、必要な資材は無料で提供します。自己注射の開始時期は、治療効率を考えるなら塗り薬により発疹がほどんど良くなった頃が目安ですが、治療のコツさえつかめればもっと早くから始めることもできます。注射は処方箋を使って調剤薬局で受け取り、注射薬は専用の保冷バッグにいれて持ち帰ります。行きつけの調剤薬局に、取り寄せてもらえることを事前にご自身でご確認ください。冷蔵保存の薬ですし、処方箋を出してから取り寄せて翌日以降の受け取りですので、自宅近くの調剤薬局が良いと思います。
 受け取った注射は冷蔵庫で保管しますが、常温で長期間放置しない限り効果は失われないようです。建物の点検などで停電が予定される際は、念のため保冷剤で冷やしておいてください。

病院をかえるときは紹介状をご用意しています

 引っ越しなどで別の病院でデュピルマブ(デュピクセント)を継続する際は、診療情報提供書(いわゆる紹介状)を当院では書いていますので、転院先の医療機関名と分かれば医師名をお知らせください。次にかかる病院が保険請求するのに必要な、「投与開始時の治療要件と疾患活動性の数値」等を記載いたします。

デュピルマブ(デュピクセント)ほど高くない、激しい症状用の飲み薬

 1週約600円とより手ごろなシクロスポリンも、塗り薬で良くならないつらい症状に効果があります。3~5日飲むと効果が実感できますので、その後は毎日飲むことも、悪い時だけ飲むこともできます。副作用として腎臓への負担と高血圧がありますが、50歳以下の方がこのような副作用が出ることは通常ありません。また、抵抗力を弱める方に働きますので、風邪気味だったり体調が悪い時に飲むと、突然38℃の熱が出ることがあります。毎日3か月連続して飲んだら2週間休むよう勧められています。飲み薬のシクロスポリンから注射のデュピルマブ(デュピクセント)に変えることも、その逆もできます。

激しいかゆみで毎日夜起きるが、発疹はそれほどひどくない状態のアトピーには、ミチーガという別の注射があります。

  • アトピーについて詳しくはこちら

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