- HOME
- 魚の目
魚の目は足の裏や足の指にできる皮膚の表面が固く変化したもので、当たったり押すと痛むため立ち仕事や歩行時に支障をきたします。原因は靴の中で皮膚が押され寄せられたり、足の骨と皮膚の間の肉が薄くクッションが十分に効かないことにあります(靴の選び方、きつい靴と足のトラブル:アメリカ整形外科学会)。魚の目のところに集中して外力が加わり、皮膚が負けじと反応して厚くなります。厚く固くなった部分は、医療機関でメスを使って削り取ることができます。しかし、原因は外力にあり皮膚そのものは正常ですので、一旦取っても外力が加わればまたできます。不自然な力が長期にかかれば、関節の痛みや変形にも影響は及びます。
魚の目を繰り返しにくくするには、足に合った靴を選ぶことが大切です。靴の内側に指が当たらないよう、靴ひもをしばり足を靴の中で動かないよう固定してください。ひもの無いスリッポンやパンプスや、ひもをほどかなくても靴を脱ぎ履きできる状態では、靴の中で足が動いて魚の目ができやすくなります。靴は皮膚科の専門外ですが、「既製の靴は必ずしも足に合うとは限らない」と言われています。確かに、オーダーメードの靴を作ったり、靴屋さんでご自分の足に合った既製の靴を選んでいただき楽になった方もいらっしゃいます。ただし実際には、再び痛くなる前に、魚の目を当院を含めた医療機関で月に1回程度定期的に削っている方は少なくありません。
#KuTooに見る日本社会での女性の「生きにくさ」 朝日新聞GLOBE+
仕事でヒールを履き、歩くと足の親指の裏が痛みます。日本靴医学会
パンプスを履かなければならずつらい毎日です 日本靴医学会
削る魚の目が無いのに治らない痛みは、関節やその周囲の痛みですので皮膚科だけでの解決は困難です。特に、仕事で決められたパンプスやドレスシューズを履かなければならない方は、何とかしたいとその対応に苦慮されています。その思いは、問題を根本的に解決できない皮膚科医とて同じです。
削って繰り返しても痛くても、皮膚科医が保険診療でできることは、削ることと角質をふやかす膏薬を処方するだけです。靴の選定が、健康であれば鍵を握っています。病気が原因のこともあり、糖尿病では魚の目ができやすく、普通の魚の目と異なり痛みを感じないのが特徴です。このような魚の目が喰い込んで下の肉に刺さると細菌感染しやすく、時に壊疽のきっかけとなり得るため普段からのフットケアが大切とされています。
A ヒールのある靴はビジネスとプライベートで足元に好印象を演出しますが、痛みや変形を皮膚や関節に来し、魚の目や外反母趾など無視できない元に戻らないこともある代償となって現れます。このような足への負担を減らすには、負担のかからない靴を選ぶことが大切で、職場でパンプスが指定されている場合でも、休憩時間や通勤時には足に優しい靴に履き替えることが役立つとされています(日本皮膚科学会、日本整形外科学会、日本靴医学会、アメリカ整形外科学会)。

PDFをご覧になる際は、
Adobe Acrobat Readerが必要です。